取材を受けました

香港漫画店、本日は香港からの取材を受けてまいりました。
薄装本の巻末に、情報やコラムの載ったページがありますよね。
KOF XII」「少林寺第8銅人」を出版している会社の
情報ページのライターさんが来日してまして、
いろいろとお話をしてまいりました。
しかし、店主が当店のことをしゃべるよりも
あちらのコミック事情を教えてもらうほうに
なんだか終始してしまいました。
香港のコミック制作方法は、日本とはずいぶん異なります。
当店サイト「香港コミックって?」のページでも詳述しておりますが、
本日新しく知った事実もいくつかありました。


まず、「原稿には吹き出しを描き込まない」。
そうです。香港コミックの吹き出し・ト書きはすべて
原稿が仕上がったあとで、パソコン処理で上から乗せているそうです。
パソコンがない時代はどうしていたのでしょう…?
あ、吹き出しをちょきちょき切って貼り付けていたのですね。
道理でときどき
「前のページとまったく同じセリフが書かれている」というミスが現れるわけです。


また、香港コミックは「ネームを切らない」。
映画やアニメの「絵コンテ」にあたる下書きですね。
あれをつくらず、ぶっつけで原稿用紙にラフスケッチを描いていくのだそうです。
ひとつの作品にじつに大勢の人間が携わっている香港の作品ですが、
メインの漫画家さんが、ものすごーくラフな下絵を描く
 ↓
チーフ作画者さんが、もうちょっと細かく描き込んだ下絵を描く
 ↓
キャラクターの顔→ボディ→衣服→武器やら馬やら→動線→背景と、
それぞれの担当の描き手が次々にペンを入れていく
 ↓
CGで雨とか雷とかのエフェクトを描き込み、仕上げをする
 ↓
完成!


とまあ、こんな工程で原稿はつくられ、
いっぽうで脚本担当の方がお話を考え、ト書きやセリフを書いていて、
あとでペタリンコと貼り付けるのだそうです。
これでよく絵とセリフが合うなあ…と思いますが、
ちゃんと、合わせるための作業は事前に済ませておくのでしょうね。
あと、おそらくこの手法は薄装本のカラー作品だけだと思います。
さすがに李志清や「FEEL100%」の劉雲傑などは
ちゃんとネームを切っている…と思います。
(それともやっぱり切っていないのでしょうか?
切らずに漫画を描く、中国四千年の秘法があったりして…)


あと、邱福龍と蔡景東の生原稿をいただいてしまいました。
邱氏のは鉛筆&青鉛筆でのラフスケッチで、
大半はコピーでしたが2枚ほど生原稿が混ざっていました。ひょえー!!
ぐいぐいと凄い筆圧で、鉛筆でたくさんの線が描き込まれております。
蔡氏のはペン入れ済、トーンも貼った白黒の生原稿で、
皆様ご存知のあの端正な線は、生原稿で見るとさらに端正です。
どうしましょう。こんな貴重なものをいただいてしまって。
どうしましょう。どうしましょう。どうしましょう。
ぜひ皆様にもお見せしたいのですが
何か良い方法はないものでしょうか。
イデアをお待ちしております。