ひっかいちゃえよ!!

はい。昨日のうちに新入荷UPしております。
短編オムニバス「宅・時代」でございます。
この作品は、先日店主が共著で上梓した薄い本
「港漫倶楽部 2015-16編」でもとりあげておりますが、
香港に暮らす地元「御宅族」(おたく)の生態をつぶさに描いた
ルサンチマンあふれる短編集でございます。
よその国なのに、なんでしょう、この
鏡を突きつけられたような感覚は…という
リアルな力作揃いでございます。
馬榮成のもとで集うアマチュアさんの作品で、
画風は様々でございますが。
ただ、「おたくに国境はない」と感じる反面
香港ならではの環境の違い、「御本尊」のいる日本との距離感など
そこここに考えさせられる描写がございます。非常に興味深うございます。
どうぞお楽しみ下さいませ。
送料13円均一セールも、引き続き実施中です!


さて、今週は少々残念な出来事が香港でありました。
人気者の店長猫「忌廉哥(クリームあにき)」のいた
尖沙咀東の新聞・雑貨店「信和便利店」が25日に閉店してしまいました。
最終営業日はfacebookで実況中継をしていました。
人気を反映してどっと雲集する香港の皆さんを前に
忌廉哥は微動だにせず、定位置のダンボール箱の中にデンと腰を下ろしていました。
大したものです。
ときどき店主の高さんにダッコされておりましたが、
ダッコが甚だお嫌いらしく、「ビャ〜」「ヌギャ」などと
心底イヤそうな鳴き声をあげていました。
そういえば店主が訪れたときも、奥様の忌廉嫂と
「フーッ!」「フーッ!!」と毛を逆立てて威嚇し合う夫婦喧嘩中でして、
アイドル猫とはいえ
いつも品行方正というわけではなかったなあと回想致します。
もっとも「哥(あにき)」ですからね。
ナイトクラブやレストランなど、黒社会の拠点も多かった尖沙咀東の街角。
人間の「あにき」も多数往来する土地柄、
猫があにき風を吹かせ、ふてぶてしかったとしてなんの違和感もないわけでございます。
ただ、80年代頃から多数営業していた飲食・歓楽関係のお店も
界隈でめっきり減ってしまいました。
大陸観光客向けの薬店・時計店・貴金属店に続々と衣替えしてしまいましたから。
そして大陸からの観光客が減り、それらのお店も
高い家賃に耐えかねて閉まり、尖沙咀東はゴーストタウン化の危機にあります。
唯一にぎやかでほのぼのした話題を振りまいてきた
忌廉哥の「信和便利店」にも、
家主は容赦ない家賃値上げを吹っかけたらしく、
利益率の決まっている新聞・雑誌を商うだけではやっていけなくなったのでしょう。
閉店が決まってしまいました。
高さんは飲食店への商売変えを検討中と報道されています。
それに忌廉哥はまた本が出るそうで、プロモ活動で人前にも出る予定だと。
そういったわけでまた忌廉哥に会うことは出来そうなのですが、
「信和便利店」は薄装本漫画も販売していたのです。
そういったお店が閉まってしまうこと、
尖沙咀東からまたお店がひとつ消えることが
店主は無念でならないわけでございます。
お店の街における役割を考えたら、
利益ばかり考えて家賃を吹っかけるなどできないはずなのに。
もちろん家主にも資金繰りの問題があり、
さらにその上に土地や金融で儲けている存在があるのでしょうから
吹っかけた家主ばかりを一概に責められはしませんが、
しかし店主の憤りはおさまらないのでございます。
忌廉哥もごうつく家主をひとつ、ひっかいてでもおやんなさいと
思うわけでございます。

しつこいようですが6月5日(日)まで
送料13円均一セール実施中です!
どしどしご注文をお待ちしております!!