タイラヒトシと韋小宝

植木等逝去のニュースを、先ほどテレビで見ました。
店主は学生時代、なぜかクレージーキャッツにハマっていました。
映画「ニッポン無責任時代」「日本一のホラ吹き男」etc
名画座へ盛んに見に行ったものですし、
ホンダラ行進曲」「ハイそれまでョ」「だまって俺について来い」等
今でも愛唱歌であります。
好きでしたねえ、植木等
テレビニュースでは晩年の好々爺となった氏の姿ばかりを流していますが、
ぜひ映画「無責任」シリーズの
つんつるてんの背広にバラ色のホッペ、全盛期の姿を見せてほしいのです。


さて、ニュースを見ていて店主、
ずっとひっかかっていた小さな謎が解けました。
金庸原作「鹿鼎記」。あらすじを書きながら、
なんとなーく感じていた既視感。あれはなんだったんだろう?
いま気付きました。植木等の無責任シリーズです。
大ボラ、ゴマすり、口先三寸で、ありえない出世をとげる韋小宝。
ボロが出そうになっても、タイミングと運であっさり切り抜ける、
だけど肝心なところでは仁義を通しビシッとキメる。
ああ、「ニッポン無責任時代」の平均(たいら・ひとし)の
人物造形そのものではございませぬか。
わきの女子キャラが、気が強〜いところまで似ています。
そうか。方怡チャンは団令子だったのか。(!?)
もちろん中華圏の大大大作家・金庸先生と
日本のどたばたサラリーマン喜劇に、関連性などあるはずもありませんが、
かたや皇帝の側近、かたや会社社長。
庶民にとって雲の上、ありえない出世という点では共通点があり、
そこへ至るには?とあれこれ想像をめぐらせたとき、
「タイミングにC調に無責任!」という共通の解を導き出すのは
不思議なことではないのかもしれません。


植木等さんのご冥福をお祈りします。