小説「辺荒伝説」のつづき

香港のコミック版も当店でご愛顧いただき、
本年4月には翻訳版ケータイ・コミックとして配信も始まった
「辺荒伝説」。
こちらの原作小説(黄易/著)、
昨年、店主は「第1巻を和訳した!」と
当欄でとくいげに申しておりました。
あまつさえ恥知らずにも各方面に訳文を配りまくり、
こちらをごらんの方には
「第1巻を店主にむりやり押し付けられた」という方もおいでかと存じます。
さて。斯様に拙の極みたる訳文でございますが、
第1巻というからには、2巻以降があるのだろう。
それはどうした?とお思いの方が
もしや、いらっしゃるかもしれません。
第2巻も訳しました。
7月末に、なんとか読める形にまでつくりあげております。
いままで告知が遅れましたのは
ひとえに多忙の所為でございます。
2度の香港行き、また国内出張などもございましたので。
第2巻、翻訳作業は本当にたいへんでした。
おかげさまで昨年よりずっと忙しくなった当店。
お店の仕事をしながら、昼は会社勤めをしながら、
訳もやるのは本当にたいへんで、
最後の校正や版下づくりの時には徹夜も致しました。
それでも、この作品のおもしろさをなんとか人様に伝えたく、
また昨年よりはなんとか読みやすく、なんとか魅力的な訳にせむと
遮二無二やってまいりました。
どうして、売り物でもない、世に出る具体的なあてもないものを
斯様にひいひい呻吟しながら訳すかと申せば、
この作品にはとびきりのおもしろさ、
そして勇気と智恵がつまっているからでございます。
この嫌な現代日本を生き抜くためのヒントになる
智恵と勇気が。
1年間、訳でこの作品と付き合い続けることで、
店主は登場人物の燕飛や劉裕拓跋珪
ともに旅をしている気分になりました。
長い旅をともにできるだけの魅力を備えた奴らだと、
それだけは確かに申し上げられるのでございます。
旅は続いております。店主はぼちぼちと
第3巻の翻訳にかかっております。


先日、かの金庸翻訳の岡崎由美先生にも
出来上がった第2巻をお渡ししました。
そして望外の温かいお言葉をかけていただきました。
まあ昨年、第1巻をお渡ししたときは
まさに降龍十八掌の一手のみ覚えて
丘処機に手合わせを願い出る無謀の徒だ。と
あとから思っても赤面千万だったのですが。
ことしもやっぱり、はずかちぃー。です。


さて、ありがたくも第2巻の内容に興味を持ってくださる方。
いらっしゃいましたら、
どうぞ当店「お問合せフォーム」より問合せ下さいませ。
また「なんじゃ?第1巻なぞ知らんかったぞ!
なんじゃい、そりは?」と初巻からご興味を持ってくださった方も
お問合せお待ちしております。
問い合わせたらどうなるのか。ということは
ここでは具体的には申せませんが、
少なくとも自社の冠付懸賞小説の一席選出作品の
選評梗概すら審らかにせぬ某大手出版社様のような事は致しません。
どうぞどしどしお問合せくださいませ。