まんが故宮ばなし

はい。新入荷UPしました。
闘神伝3」と「鬼武者」、
なかなか入らないゲームもの2点でございます。
新年の福袋も絶賛発売中でございます。
また、2月12日(日)開催のワンダーフェスティバル
卓番号も発表させていただきました。
今年もかっこいい武器をたくさん揃えて準備中ですので
どうぞ皆様、ふるって当店卓へお越し下さいませ!


さて本日、微妙にUP時間が遅かったのは
東京国立博物館で開催中の「故宮博物院200選」展覧会に
午前中行ってきたからなのでございます。
たいっっっっっへん素晴らしゅうございました。
故宮紫禁城)といえば
おもに清王朝の居城として栄えた場所でございまして、
そのとおり、清朝乾隆帝の時代を中心として
割とレンジの広い時代のお宝を、
これでもかこれでもかと持ってきて展示しておりました。
純金製の巨大な御璽や、
刺繍や染め付けではなく一本一本糸を織って絵を描いた皇帝の礼服など
まさに度肝を抜かれました。
店主は『リアル「鹿鼎記」のブツが見られればいいかな?』程度の気分でまいりましたが、
思った以上の物量にクラクラきてしまいました。
ところで康煕帝の江寧
(いまの南京。もっといえば南晋の都、辺荒伝説に出てくる『建康』ですね)行幸を描いた絵巻物ほか
絵画作品もたくさんありました。
すさまじい反響を巻き起こした「清明上河図」は
残念ながら公開終了で、今はレプリカのみの展示ですが、
いえいえ清代の絵画と比較するためにも、
レプリカだって展示は非常に有意義なのであります。
時代とともに移ろいゆく絵を鑑賞しながら、店主が思ったのは
「ああ、香港の漫画も、伝統的な中国画法の地平につながってるなあ」。
余白の美や陰影の美よりも、画面にすき間なく画題を描きつくして、
独特の遠近法があって、しかし全体として素晴らしいプロポーションが出来上がっていたり、
主題と同じ筆致でバックの風景や脇役の人々もこまごま描き込んだり、
これは現代の香港薄装本コミック、表紙絵やデカい見開きコマなどで
日常的にみられる特徴であります。
そうそう「雍正帝行楽図像冊」など
おなじ構図の表紙の漫画、あるよあるよ、あれもこれもそうだな…と
不謹慎ながら思ってしまいました。
まあ当たり前といえば当たり前であります。
現代香港コミックは日本の劇画や欧米カートゥーン文化に影響を受けつつも
はじまりは「連環画」であり、
連環画はきわめて大衆的な視覚的娯楽とはいえ
中国絵画の正道、メインストリームの影響をはっきり受けています。
もちろん香港コミックも、単行本サイズの1色刷り作品だと
手塚治虫が確立させた「コマ割り」の文法=
こまかく割ったコマに、なにを描くか?どう描くか?で
劇映画的効果をもたらす文法、にのっとったものも多いのですが、
ことオールカラーB5判薄装本に関しては
そのへんとの通路は断たれ、ただ「連環画」をなかだちに
中国絵画と地続きだわー、と思うこと頻りであります。
そんなことを考えながら鑑賞している人間は
10万人を突破したという本展入場者の中で
おそらく店主ひとりでしょう(笑
ともあれ2月19日までまだまだ開催中でございます。
皆様もぜひご覧になってみてはいかがでしょうか?