ユリイカ!

はい。新入荷UPしました。
「温瑞安群侠傳2」の近刊でございます。
黒社会コミック「九龍城寨2」と平行して司徒劍僑が連載が続けている本作。
金庸古龍らに比べてまだまだ
日本では知られざる存在の武侠作家・温瑞安ですが、
艶気たっぷり技量たっぷり、魅力的な登場人物が目白押しなのは
「四大名捕」「神州奇侠」などですでにおなじみですね。
本作はそのオールスター・バトルもの
第二部でございます。
「四大名捕」の登場人物も数多く登場しております。
と申しますか、司徒劍僑&プロデューサーの杜比氏は
本当は「四大名捕」の続編が描きたいのだそうです。
(今回UP分の某巻巻末コラムに書かれております)
さる事情によりそれは現在かなわないのですが、
事実上、本作が続編といってよいでしょう。
制作陣一同、温瑞安ワールドの魅力に深くとりつかれている模様でございます。
皆様もどうぞお楽しみ下さいませ。


さて、評論誌「ユリイカ」の最新号で
海外コミックの大特集が組まれております。
メインは先日おこなわれました(当店も参加しました)
「海外マンガフェスタ」会場での対談再録や漫画家インタビューなど
ヨーロッパ産コミックのあれこれなのですが、
他地域の漫画事情にも少し触れておりまして、
そのなかに5ページほど、香港コミックに関する記述がございます。
本全体のボリュームに比べればわずかなものですが、
それでもかなり的確な概況報告と評論でございました。
当店サイトの「香港コミックとは?」「香港コミックの歴史を知ろう!」と
だいたいにおいて主旨の異ならないところとなっております。
そして店主の立場ではなかなか申し上げにくいような
ちょっぴり辛口の評論も入っております。
ご興味のある方はぜひごらんになってみて下さい。
さてこの評論内で鄭健和の短編「野狼与瑪莉」「脱北者」が取りあげられております。
「野狼与瑪莉」は当店でもかねてからおすすめの一作で、
一昨年のトークイベント「面白漫画倶楽部」出演時にも紹介いたしました。
脱北者」も近日中にUPしますのでお楽しみに。
「メタ香港漫画」「パロディ的視点」等と評されておりますが、
それだけにとどまらない面白味がございます。
また、これら2作は
ド直球ストレートさわやか武侠傑作「封神紀」の
それぞれ第一部と二部、第二部と三部のインターバルに発表した短編でございます。
つまり作者の鄭健和は
香港コミックをメタ的にとらえる立場ではなく、
その渦のど真ん中に首までドップリ浸かっている立場の人なわけでございます。
というわけで「ユリイカ」を通じて「野狼与瑪莉」にご興味をお持ちいただいた皆様。
ぜひ「封神紀」もあわせてごらんいただき、
香港コミック界の、現在の輝きを感じていただきたく存じます。