鳥獣戯画

はい。新入荷UPしました。
ブルース・リーがモデルのアクション新作、
そして話題騒然「末世北斗」が再入荷でございます。
そうです。「代天皇『甲子園』」と父親で元日本首相の「安焙」が登場する、
これ以上は詳述をなるべく避けたい短編漫画でございます。
お楽しみ下さいませ!


さて本日もUPがかなり遅くなってしまいましたが、
昼間何をしていたかと申しますと
すなわち東京国立博物館へ「鳥獣戯画」を見に行っておりました。
たいそうな行列でございました。
北京故宮博物院展でも清明上河図を回避し、台湾故宮展でも翡翠白菜を回避した
行列嫌いの店主ではございますが、今回は総計2時間ほど並びました。
鳥獣戯画は日本最古の漫画」という言説がございます。
それは一見思慮がありそうでいてかなり直感的な言かと思われますが、
しかし2週間前に大陸産の「連環画」を見てきた店主としましては、
元代石版画−中共の連環画−香港漫画−鳥獣戯画現代日本の漫画・アニメ、と並べると
興味深く感じずにはおれません。
墨一色の線画で、人間のようなしぐさをする動物達を活写した「鳥獣戯画」。
草花や山河をバックに、無尽に描かれるそれは
「あ…あれ?パースの概念がある!?」と感じられもするのですが、
それは宋代あたりの山水図にもみられる、現代漫画のパースとはちょっと違ったものです。
鳥獣戯画の成立は12〜13世紀といわれております。
日宋で文物交流があるうちに、遠近法の技術のやりとりもあったのでしょう。
でもそれと中国の絵物語石版画→連環画という流れに関連性はないと思っておりました。
たて・よこの概念だけでベタッと描かれる線画の世界、それが連環画まで続くのだと。
甘うございました。
先日見た連環画展示で、1960年代の「西遊記」モチーフ作品があったのですが、
縦長画面でパースらしきものが見られたんですね。
レクチャーして下さった研究員さんはパースには言及せず
背景の山水について「コマ割り」の機能をもつ、とだけ説明されていたのですが。
頭の中で並べてみると
どうしても関連性を感じずにはいられないのでございます。
ところで鳥獣戯画アニミズムにつきましては
もう数多の皆様が古くから言及されていますから
ここで申し上げるのも野暮ですが…
「モチーフとして影響を与えた」との説明つきで
干支動物入りの十二神将図が展示されていました。
店主がそれを見ながら「えとたま」のことを考えていたのは内緒でございます。
鳥獣戯画にもウサたん、モ〜たん、キーたん、チューたん、シャーたん(蛙に振り回されてる)、
そういえばにゃ〜たんまで登場しておりますが、
丁の巻で角比べをする牛は、残念ながら巨乳ではございませんでした。
アバラの見える痩せ牛でございました。