実写化の影にその男あり

はい。新入荷UPしました。
最近飛ぶ鳥を落とす勢いの出版社「大渡」の
創立初期作品「天下無敵」、
そしてひさびさに入りました、映画版「中華英雄」コミカライズです。
中古本ながらポストカードのおまけもついております。
この「中華英雄 電影漫畫版」、作画は馬榮成ではないのですが、
映画もコミカライズも脚本を手がけた文雋という方は
馬榮成とは80年代に一緒にお仕事をした間柄で、
たいへん信頼されている人物なのだそうです。
ほかにも「古惑仔」など、漫画原作の映画に
プロデューサー&脚本家として多数かかわっている文雋氏。
そういえば氏の作品を見渡すと
地元でも海外でもかなり高評価のものが多く、
日本のようにコミックや昔のアニメーションを片っ端から実写化しては
屍の山を築いているのとは、ちょっと事情が違うようです。
店主がいま訳している現地漫画家の証言集「港漫回憶録」に
馬榮成が文雋氏を評したくだりがございます。
いわく、彼は長い原作漫画の中で
「ここぞ!」という場面のみをクローズアップして使い、
あとはバッサリ切ってしまうそうです。
「中華英雄」でいえばまさにそれが「自由の女神の闘い」なわけです。
その潔さや、「とりあげる」部分と「バッサリ切る」部分の
選択センスの良さで、彼は大いに信頼を得ているようです。
香港の芸能界・漫画業界双方に太いパイプをもつことも
うまくいっている理由ではあるようですが。
日本にもそういうプロデューサーさんがひとりぐらいいればよいですね。
原作の「よい部分」「劇場映えする部分」をわかっていて、
そこだけしっかり見せてあとはバッサリ切って、
「なんであそこを切っちゃったんですか?」と言わせない人。
いや、原作者さんや映画作りの偉い人が「なんで?」と言いたくなっても
「まあまあまあまあ」となだめたり納得させたり出来る人。
日本でもたまに、とてもうまくいった実写映画化がありますが
そういうところにはきっと、そんな「仕事人」がいるのでしょう。
というわけで地元でも大ヒットした映画「中華英雄」のコミカライズ、
どうぞお楽しみ下さいませ!