おもしろ

はい。昨日のうちに新入荷UPしております。
「龍虎門」、1970年代初頭の貴重な初期刊行分復刻シリーズ
「復刻 龍虎門」でございます。
サイズは他の薄装本コミックと同じB5判ですが、
ヨコ長・横とじという珍しいスタイルになっております。
発行当時のサイズを忠実に復刻したものとみられます。
現代に至るまで連載が続く「龍虎門」。
近刊との絵柄との違いに驚かれるかもしれませんが、
そればかりではなく、コマの割り方
手塚治虫鉄腕アトム」のように
小さい均一サイズのコマを、横に流れるようにつなぎ、
カートゥーンのアクションやカット変えのような効果を出しています)、
容赦ないバイオレンス表現、独特のアクション描写など
あまりの違いに驚くばかりです。
「小流氓」「龍虎門」初期分は、復刻ものもすぐに中古市場でレア化してしまいます。
どうぞこの入荷をお見逃しなく!


さて店主は昨日、ちょっとしたインタビューをうけてまいりました。
薄い本作りの活動で6月に参加する頒布イベント
「おもしろ同人誌バザール」が、
参加サークルのインタビュー入り会誌を発行するという珍しいスタイルでして、
主催者様の取材にお答えさせていただいたのです。
雑多なジャンルのマニアックな評論・情報系同人誌が集まるイベントで、
はたして店主の話も理解していただけるか不安でしたが、
不安はあっという間に氷解致しました。
なぜなら主催者様が、店主と大学の同窓だということが判明したからです。
左様、某外国語大学の中国語学科でございます。
(もっとも、主催者様は同級生より早めに社会にお出になられたようですが)
薄くない薄い本「深く美しき香港漫画の世界」の委託販売先
東方書店」の説明がはぶけて、たいへん助かりました。
神保町の中国関連書専門店・東方書店
中国語専攻の学生にとっては、実はかならずしも愉快な場所ではございません。
なぜなら教科書の販売店だからでございます。
ほか、ありとあらゆるサブテキスト、参考書、問題集、専門研究書が
にっこり笑って学生を待ちかまえております。
今はこれだけネットが普及して、誰でも生の中国語に触れられ、
何をテキストに選んでもよい世の中になりましたが
我々の時代の中国語教科書は、とにかくつまらないものでございました。
主催者様も「学生時代以来まったく足を向けていない」とおっしゃっていました。
いまは同人誌まで豊富に在庫している東方書店
台湾の時刻表、「この中華ミステリがすごい!」、「中国式城壁をつくろう」、
そして拙著「深く美しき香港漫画の世界」まで…
まさに「中華ネタ限定の書泉グランデ」化しているんですよ、と申したところ、
隔世の感にたいそう驚いておられました。
おそらくいまも、学校の授業で指定されるテキストは
ネットにあふれる中国語より、ずっと退屈でつまらないものでございましょう。
学生さんは教科書販売店など、やはりあまり愉快には感じないと思われます。
ただ、少しでも「中国語をよく知れば、こんな未知の世界が楽しめる」と
希望を持てるような店頭ラインナップになったことは
とても喜ばしく、
同人誌導入を決めた同店仕入担当・Tさんの慧眼には
敬服するばかりです。


というわけで6月26日(日)池袋P'パルコ内・ニコニコ本社で開催の
「おもしろ同人誌バザール」、ぜひおいでくださいませ。
そして神保町・東方書店も、宜しければ一度のぞいてみてくださいませ。
香港漫画そのものの在庫は残念ながらありませんが、
読むと香港漫画がもっと面白くなる関連書がたくさんございます。