舞踏劇「中華英雄」

はい。大変ご無沙汰しております。
新入荷UPしました。
鄭健和、今年春に短期連載されたホラー作品「如月車站」です。
旧作「殺道行者」が「信の拳」の邦題で
日本語iTunes配信も開始し、日本ファンも増えているはずの鄭健和。
ほかにもたくさんの傑作を発表しておりますが、
長編と長編のインターバルに、実験的な短編薄装本を出すのが
この人の得意技。
今回は都市型ホラーに挑戦です。
香港の地下鉄がかもし出す無機質さを、不気味さに昇華させ
ぞくっとする恐怖と悲しみを誘います。
お楽しみ下さいませ!


さて、前回のブログ更新から何をしていたかと申しますと、
少しのあいだ香港に行ってまいりました。
皆様おなじみの馬榮成作品「中華英雄」が
「香港舞踏團」の手で舞踏劇として上演されることになり、
実は店主は地元での宣伝活動に少し協力していたのです。
その縁もございまして、じかに見に行くことになりました。
11/25、金曜深夜入り、日曜午後帰国という大変タイトなスケジュール。
しかもその間はどしゃ降りで、あまり出歩けなかったという
悪コンディションでしたが、
それでもお芝居はたいへん充実の出来映えとなっておりました。
セリフなし、ダンスパフォーマンスだけという異色の舞台で、
しかもそのダンスはバレエの動作が基本。
華英雄、剣雄、鬼僕、無敵、瓊天といったおなじみの登場人物は
もちろん漫画と同じ扮装で登場し、
紙上と同じアクションや決めポーズもあったりするのですが、
人物の心情をあらわすコロス(群舞ダンサー)も登場し、
抽象と具象が、絶妙なブレンドで舞台の上にのっておりました。
店主など、こうして漫画という具象視覚エンタメをずっと見続けてきたものですから
香港で抽象芸術、といわれても正直ピンと来ないのですが
そんな人間にも非常に優しいつくりになっておりました。
漫画の印象的なシーンが、
視覚と心情理解の両面から再現され、見る者のなかでのイメージ構築を促すのです。
漫画の舞台化というと、いま日本では
2.5次元」などといわれ、たいへん盛んですが、
そういったものとはひと味もふた味も違うものとなっておりました。
さて、このように見聞きしてきたこともふまえ、
帰国後はあれこれと原稿を書いておりました。
年末には皆さんに御覧いただけると思いますので、是非お楽しみに!