アングレームから下北沢へ

はい。真田丸も惜別の最終回を迎えた今、いかがお過ごしでしょうか。
新入荷UPしております。
現代香港の蒼氓を描いた作品を2点ほどUPしてみました。
「阿ロ尼」シリーズでおなじみ梁進の「サラリーマン生活あるある漫画」、
そして鋭い社会風刺白黒漫画「一路向北」です。
どちらも方向性はまったく異なるものの
毎日満員電車に揺られ、四角いビルのオフィスに閉じ込められ過ごす
香港の社畜を的確に描いた傑作でございます。
日本と同じところもあり、決定的に異なるところもあり。
比較するのも興味深いところでございます。
どうぞお楽しみ下さいませ!


さて店主は年末恒例、決算に向けた経理入力に
四苦八苦致しております。
13年、毎年やって来たのでそろそろ慣れてもよい頃ですが
それでも年に一度の責め苦であることに変わりはございません。
本日までにあらかた終わり、
あとは次の週末・三連休を利用した棚卸を待つばかりとなりました。
いえ、待っておりません。憂鬱でたまりません。
なにせ5000冊ございますので。これを物理的に卸して、数えて、また棚に上げるのです。
まずは頑張ります。
そんな年末ではございますが、
今週はちょっとした珍書との出会いがございました。
2010アングレーム国際漫画祭・香港コミックエキシビジョンブースの
会場ブックレットです。
下北沢の古書店で発見しました。
アングレーム漫画祭はバンド・デシネなど欧州産コミックがお好きな方にはおなじみ、
世界最大級の国際漫画フェスティバルでございます。
6年前の開催で、香港藝術中心が音頭を取って
かなり大規模な地元産コミックの展示をやったようで、
英文で図版もたっぷりの、立派なブックレットも作成したようです。
現存数が非常に少ない黄玉郎「小流氓」や馬榮成「風流」のオリジナル表紙など
掲載図版がたいへんな貴重品ばかりですし、
文章も非常に的確・簡潔に香港漫画50年の歴史と現状を叙述。
インタビュー集「港漫回憶録」と内容もぴったり符合しており、
これはいつの日か、貴重な資料としてきっちり全訳しなければと
決心した次第でございます。
しかし翻訳したい本が次から次へと増えてきて、
店主も当面多忙のようでございます。
皆様もどうぞ、ご自愛のほどを!