繁体のハンタイなのだ

船便の商品が到着し、
さきほど検品記帳が一段落しました。
夜が明けたら店頭UP作業に入ろうかと思います。
もう少々お待ち下さい。


さて、商品のダンボールの中に、なぜか1冊だけ
大陸版のコミックが混ざっていました。
当店は原則として
大陸(中華人民共和国)で出版されたアイテムは扱いませんので
(安定した仕入ルートがございませんもので…)
これはアウトレット行きですね。そのうちUP致します。
大陸版と香港・台湾版の大きな違い。それは字体です。
大陸は「簡体字」を用いていますからね。
日本の漢字ともまた違う、独自の簡略化字体。
中国語になじみのない方は
「なんじゃこりゃ?絵文字か甲骨文字か??」と驚くような
独特のフォルムの字がたくさんあります。
ここで書いても表示できないのが残念です。
大半の方の環境では、文字化けしてしまうだけでしょう。
でも、たとえば「為」とか「書」とかの簡体字って、
ほんとうに絵文字か記号のようで、カワイイです。
「書」の簡体字は「のしイカ」に似ている、と言った人がいました。
言いえて妙です。


しかし簡体字で書かれた書物が手に入るなんて、
数年前の香港では考えられないことでした。
香港の漢字はあくまで、画数の多い「繁体字」。
街の看板も、新聞雑誌も、テレビのテロップも全部そう。
要するに簡体字とは、中華人民共和国政府、まあ北京にある政府が
強力に普及をおしすすめた字体なのでありまして、
「ここを治めてるのはイギリスだもんね。北京の政府じゃないもんね」
という香港には、使うゆえんはなかったのです。
だから97年、返還のときに
「これからは字も全部、簡体字に強制切替?」
という心配をした人もいました。
それは杞憂だったのですが、
ここのところの大陸からの観光客大量流入につれ
街にどんどん簡体字が増えてきました。


ちなみに店主は簡体字繁体字どちらもOKです。
中国語のお勉強環境は、基本的に簡体字ですからね。
でも十数年に及ぶ香港ラブラブ生活により
いまや繁体字から離れられないカラダに…。
個人的な好みで申し上げれば、
読むのは繁体字のほうが好きです。(お店の稼業ですっかり馴染んでしまったので)
書くのは簡体字のほうが好きです。(画数が圧倒的に少なくてラクチンなので)