バクマンと爆漫

はい。新入荷UPしました。
「温瑞安群侠傳」のパート2が始まりました!
今回はあのヒールの中のヒール・關七が
時空を超えてしまいます。現代にまで来ちゃいます。
あんなに凶悪で、しかも銀髪で長髪な殿方が街を歩いていたら
ちょっとびっくりしてしまいそうですが、
香港ならアリでしょうかね。
いや日本でも夜の六本木や歌舞伎町ならアリかもしれません。
昼の練馬や板橋本町だと少々無理ですが。
ともあれおたのしみ下さいませ。


ところで店主は最近おそまきながら
漫画「バクマン。」を読み始めました。面白うございます。
小畑健氏の絵も「ヒカルの碁」以来ひさびさに見ますが
やはり繊細で美しく、見よいものです。
ところでこれは日本の漫画業界のお話です。
店主は「漫画を売る人」で「漫画をつくる人」ではないので、
ここにつづられる「つくる人」の事情については
何も申し上げることはできないのですが、
ただ香港の制作現場や、ストーリーのつくり方と比較しながら読むと
なかなか興味深いものがあります。
そんな読み方をしている読者はたぶん日本に店主ひとりでしょうが…。
週刊少年ジャンプ」が舞台ですが、
ジャンプで毎週、どの連載漫画がどんな山をどこにもってくるか
緻密に計算されるさまが「バクマン。」には描かれています。
いっぽう香港の薄装本コミックは、一本の漫画、ひとつの巻に
山山山山山山山山……。めくってもめくってもクライマックスです。
どちらがすぐれていてどちらが拙劣かという問題ではありません。
これは日本の漫画と香港の漫画、刊行形態の違いゆえです。
どちらも週刊で出ますが、
いくつかの連載作品を集めて、平とじで出すのが日本。
1作品1冊で、中とじの薄い形態で出すのが香港。
香港で、巻ごと=週ごとに山があったりなかったりだと、
地味な展開の巻を買った読者さんは
気分が盛り下がってしまい「来週の巻は買わなくていいや」となってしまうのです。
週刊誌のグラビアのように、ページをめくるごとに
ビジュアル的にもおはなし的にも盛り上がる「山」があってこそなのです。
また、日本の漫画はコマをこまかく割って、
めくったら次のページに山が来た!的な展開が多いですが、
これはページの多い平とじ本ならではのことなんですね。
平とじの本は、ページの内側がとじ口なのでちょっと見にくいです。
見開きでぺたーんとは、なりません。
でもページが多いので、「めくる」という動作そのものが
読む人の気分を盛り上げるんですね。
いっぽう香港の中とじ本は、見開きでぺたーんとなるので、
2ページ使って、どんなにでっかいコマにもすることができます。
だから「めくらせる」より「パッと目に飛び込ませる」ことが効果的になるのです。
そんな違いを考えながら、サイコー君&シュージン君の若いコンビと
香港の漫画家さんやスタッフさんの顔を交互に思い出して
読んでおります。
ところで「バクマン。」は香港では「爆漫」のタイトルで出ております。
『「爆」だけじゃないよ』と作者さんがオビで説明してるんですが、ねえ…。