六一八雨害

はい。新入荷UPしました。
めでたく完結した司徒劍僑のブルース・リー漫画「拳道」です。
1972年に非業の死を遂げた李小龍
実は生きていた!?という奇想をもとにした作品。
短編ながら、途中までさまざまな人物・エピソードが散らかり気味…と思いきや、
最後にみごとに一本の線でつながり、熱いクライマックスになだれ込む
良作でございます。
ところで物語を一本につなぐ縦軸として
1972年、香港のもうひとつの不幸な出来事「六一八雨害」が描かれます。
店主もこの作品を読むまで知りませんでした。
この年の6月18日、香港は豪雨続きの三日目を迎え、
総雨量は652ミリに達しました。
日本の大雨ニュースでも「100ミリを超えました」で大騒ぎになりますよね。
その倍量の雨が3日間続き、やわらかくなってしまった崖や山肌の土が
九龍東部・観塘のバラック街、そして香港島西部山すその「半山區(ミッドレベル)」に
一気になだれ込み、家々とビル一棟を倒壊させました。
156人の犠牲者を出したそうです。
土石流の恐ろしさは、今年の伊豆大島の災害でも
まざまざと見せつけられたところですよね。痛ましい出来事でした。
香港はさらにリスクが高い場所のように感じます。
なぜなら繁華街のすぐ背後まで崖が迫るような場所が
あちこちにあるからです。
さすがにホテルは「すぐうしろが崖」などというのはあまり見かけませんが、
そういえば九龍の某Yという街の安宿「B」、
あれは切り立った丘の公園がうしろにそびえているなあ、
雨の多い季節には気をつけたほうがいいかなあ、などと思う次第です。
香港はどちらかというと「水」より「火」に沢山の命が奪われる場所で、
何年かに一度は高層ビルの火災で多数の犠牲者が出るんですが、
大雨の災害にも油断してはいけない、と改めて思います。
香港の急斜面は、土砂崩れが起きないように
現地の土木管理署が入念な補強工事を行っているそうですが、
このところ大陸資本流入による開発のスピードがあまりに速く、
崖のすぐふもとの土地にもどんどんビルやマンションが建ち、
「本当に大丈夫なのかな?」と時々首をかしげることがあります。
新築ぴかぴかのビルは素敵ですが、
香港に行かれる方、もし現地で200ミリを越すような大雨に遭遇したら
なるべく平らな土地で時を過ごされるほうがよいかもしれません…。


さてクリスマスプレゼント、
店主現地出張みやげのXmasカードプレゼントも始まりました!
もはや日本ではちょっと見かけなくなってしまった
素朴〜な絵柄のサンタさんが逆にキュートです。
ぜひこの機会にどしどしご注文を!お待ちしております。