風雲と火鳳の理由

はい。新入荷UPしました。
といっても「風雲」大判本中古の
少々の追加にとどまっておりますが…
申し訳ございません。再三申し上げております
香港漫画の薄い本づくり、〆切的なものが見えてまいりまして、
いよいよ尻に火がつき、日々作業に夢中なのでございます。
なんとか面白く、中身の濃いものにしようと努力しております。
いましばらくお待ち下さいませ。


ところで世間は理化学研究所のSTAP細胞論文取り下げで
大騒ぎになっておりますね。
店主は科学関係はまったく疎く
(高校時代は理系科目がのきなみ赤点寸前だったのです…)、
発見のニュースにも「ふーん?よくわからない」と思うのみでしたが、
小保方博士(まだそうお呼びして良いのですよね?)の論文が
大学提出の博士論文に至るまでコピペがあったとなれば
話は別でございます。
このニュースにまず店主が思うことは、
「コピペ元がある人はいいなあ」でございます。
香港漫画店のテキストには、よそ様からの拝借流用はいっさいございません。
一部、作品の裏表紙に印刷されたあらすじを和訳掲載しているものがありますが
訳は当店がおこなっております。
今つくっている本も
共同制作者のKRONOS氏との対談をそのまま文字起こししたもので、
これまたよそ様の文章はいっさい使っておりません。
と申しますか、流用できるようなテキストが
そもそもどこにもございません。
地元香港の漫画ファンが書いた中文ブログや研究サイトは散見されますが、
ただ訳したところでほとんど役には立ちません。
自分で漫画を読んで、中身をつかんで、見どころを考えて
日本語テキストを書くしかないのでございます。
正直ラクではございません。
薄装本1冊につき30分から1時間、時にはそれ以上かけて
「ううう書けない、まとまらない」と七転八倒、床をころげ回りながらひねり出しております。
どこかに出来合いの文章があって
コピーしてくれば事足りる人が羨ましゅうございます。
いえ、正確には2作だけ
日本語のあらすじテキストがよそに存在する作品があります。
もうおわかりですね。「風雲」と「火鳳燎原」でございます。
(ほかに武侠小説のコミック化作品も、原作の和訳を読めば済むといえば済むのですが、
大きく改変されている場合もあるのでそのままのコピペはできません。)
そしてサイトをご覧のとおり、この2作品は当店、あらすじ掲載をしておりません。
当店よりずっとずっと愛着をこめて両作品をご覧になっている日本人読者さんが
一生懸命テキストをつくり、インターネットサイト等に上げておられるのです。
当店が間違った内容やつまらない紹介を書いたら恥ずかしいので
御遠慮申し上げております。
(もちろん他の作品は、出来るだけ正確に紹介するよう
中国語の読解訓練も毎日怠らずにおこなっております。)
しかし逆にそういった方々の文章を「コピペする」というのは
いままで考えたこともございませんでした。
当たり前です。すぐにばれておこられてしまいます。
そう考えるのが常識ではないでしょうか。
学術界ではそういった常識が通らないのでしょうか。
あな、象牙の塔とは摩訶不思議な場所でございます。


というわけで「風雲」と「火鳳燎原」につきましては、
内容紹介に関しては「熱心な方におまかせする」という方向でやらせていただいております。
いままでこのようなことを正直に申し上げるのは憚られておりましたが、
できないことを「できない」ときちんとお伝えすることも大切だ、と
ここ一連の社会的事件を見て感じました。
できる範囲で精一杯、自分の文章でお伝えしてまいります。
今後も当店をよしなにお願いいたします。