香港漫画回顧録が面白い!

はい、大変お待たせしました。
動漫節で出たてほやほやの第52巻をはじめ、「火鳳燎原」単行本UPしました。
これまでの抜け巻も補充致しました。
また、大ボリュームの合冊本「熱蔵版」も1〜9巻をフル装備しました。
第52巻には、極小サイズですがイラスト色紙が付いています。
初回特典でございます。周瑜諸葛亮をお選びいただけます。
暑い季節、ビールジョッキのコースターにもなるサイズです!
どうぞご注目下さいませ。


さて今回の動漫節、少々テンション下がり気味の漫画出版業界でしたが
業界に関して、興味深い活字本が発行されていたので買ってまいりました。
「港漫回憶録」。
ゴッドファーザー黄玉郎、「風雲」の馬榮成、
さらに70年代「李小龍」で大当たりした上官小寶、「海洋創作公司」の温日良、
邱福龍、牛イ老、劉定堅、鄭健和といった錚々たるメンバーが
60年代から2014年、現在の香港漫画界までを時代ごとに分けて語り下ろした
インタビュー証言集でございます。
これで司徒劍僑や馮志明や永仁&蔡景東あたりの旧「自由人」一派、
陳某など「東立香港」の一派が揃えば完璧だったのに、とは思いますが
贅沢は申すまい。じゅうぶん凄い顔ぶれです。
それが「あの時、あの作品が売れなかった理由は…」
「あの作品が最初は面白かったのに途中で息切れした理由は…」など、
歯に衣を着せず自在に語っているのです。
なるほど、「ヒト」と「カネ」が揃わないと面白い作品は出来ないけれど、
そればかりに頼ってもまた、ヒットは生まれない…ということがわかります。
かと思うと、
名脚本家・劉定堅が80年代には「中華英雄」で馬榮成と一緒に仕事をしていて
同じ蒲団で寝るほど仲が良く、ともに語り明かしたエピソードや、
邱福龍は黄玉郎が1993年に出獄してはじめて会った漫画家で、
他社のさまざまなギャラ条件を蹴って
なんの理由も述べずに新会社「玉皇朝」への参加を決めるくだりなど、
ちょっと胸が熱くなる記述もございます。
全訳して日本の皆様にもご紹介申し上げたいぐらいなのですが、
これを「面白い」と言ってくださる日本人が、店主以外にはたして何人いるのでしょうか…
(あっ、ひとりは間違いなくおります。店主と同人誌を作った共著相手です。)
ご興味をお持ちの日本の皆様。
お声をかけていただければ…お待ちいたしております。