さらば一漫年出版

はい。新入荷UPしました。
先週につづき司徒劍僑です。「新著 四大名捕」を最終巻までコンプリート入荷です。
コンプリートといっても全8巻です。
あっという間に完結してしまいました。
しかも四大名補は4人いるのに、冷血のエピソードだけで終わってしまいました。
なんでこうなったかというと
版元「一漫年出版」が吸収合併でその歴史を閉じてしまったからです。
皇朝出版で旧「四大名捕」を立ち上げたコンビ・杜比プロデューサーと司徒劍僑が
2007年に独立してつくった「ONE COMICS 一漫年出版」。
それから「神之領域」「温瑞安群侠傳」「幻城」、そして偉大な金字塔「九龍城寨」と
素敵な作品を世に送り出してきましたが、
「新著四大名捕」最終巻の巻末コラムによれば
最近は漫画の売上不振で急激に資金繰りが悪化していたそうです。
負債がふくらみ、このままでは倒産もありうる、と
連載中の漫画家さんたちにも伝わっていたそうですが、
杜比さんにいわせれば「幸いにも」
文化傳信公司が会社を引き取ってくれることになったそうです。
ただ、どうやら引き取りの条件が「漫画制作をやめること」だったようです。
連載中のすべての作品が、吸収合併発表とともに終了決定しました。
店主も非常に悲しい気持ちが致します。
「四大名捕」「殺手」といった薄装本のほかに
孫威軍の「宮本武蔵的未来傳人」もここから出ていたのです。
事実上の打ち切りです。
会社が存続しても、漫画をつくらないなら意味がないではありませんか。
とはいえ文化傳信が責任を持って作品アーカイヴを管理してくれるなら、
これまで生まれた傑作の数々は、電子化・メディア展開などの発展がまだ可能なので
それは不幸中の幸いかと思います。
せっかく「九龍城寨」も国際漫画賞に入賞したのですし。


で、司徒劍僑は路頭に迷ってしまったのかというと、そういうわけではなく
いまでは新興の出版社「大渡」で活躍しています。
彼も参加した創業1周年記念作品「集結號」UPしました。
正直、お値段の面でちょっと申し訳ない作品なのですが、
「まだまだがんばっていますよ」とお知らせしたくてUPしてみました。
8人も漫画家が集まって、よってたかって描いて、
いったい司徒劍僑はどこを描いているんだ?と思いましたが、すぐわかりました。
おなじみの司徒劍僑タッチがちゃんと生きています。
ほかの漫画家さんも、「誰がどこを描いた」というのは
あとがきでもあまり明らかになっていないのですが
やっぱり香港漫画との付き合いが長いと「ここはあの人だ!」というのがわかります。
そのへんを当てながら見るのも楽しい作品です。
ぜひ、お楽しみ下さいませ!


《追伸》お店のトップにありますとおり
トークイベント「韓国まんがまつりVSぶっとびマンガ大作戦」に
店主が出演することになりました。
どんなイベント?何をしゃべる?詳しくは近日発行予定のメルマガ「好消息」にて!