アニメの国から

はい。昨日のうちに新入荷UPしております。
昨日は武侠ファンのつどい「大幇会」に赴いておりまして
こちらを書くことができませんでした。すみません。
地元で話題を呼んでいる新漫画雑誌2点です。
とくに「漫道週刊」は、「新しい試み」として注目されています。
旧来の劇画調・古装片が中心の香港漫画スタイルを脱却し
日本や台湾のような、コマ割りやスタイリッシュな絵柄で魅せていく
新人の漫画を大胆にフューチャーしています。
香港では漫画雑誌はなかなか定着しないのが現状で、
正文社の小学生向け隔週刊「CO-CO!」、東立の隔週刊「新少年」以外は
うたかたのごとく出ては…という状態が続いていますが、
これは長続きしてほしいですね。
どうぞお楽しみ下さいませ!


さて先週「おもしろい番組がない」と嘆いておりましたが、
それでもひとつ、「これは見続けなければ」というアニメに出会いました。
木曜深夜に放送中の「四月は君の嘘」です。
中学生の音楽と恋愛をテーマにした作品で、
正直、お話へのアプローチの仕方は過去の音楽もの・青春恋愛ものを
彷彿とさせる部分が大きいのですが、
それでも引き込んでくるものはありますし、
なにより、店主のご近所の風景が次から次へと出てくるのです。
公園、川岸の団地、コンサートホール、病院、バス通り、線路端、
みんな店主の生活圏がモデルになっています。いわゆる西武池袋線沿線です。
正直「またか」という思いがございます。
前クールの「月刊少女野崎くん」にも隣駅・大泉学園の駅前風景が出ていましたし、
そのまた少し前の「ノラガミ」もご近所だらけ。
そういえば「ドキドキ!プリキュア」も最終回に大泉学園駅前とおぼしきビル群が出ました。
こうまで家の周囲がアニメに出続けると、
なにか自分がアニメの国に住んでいるような、奇妙な気分になってまいります。
なぜこんなに練馬区西部ばかりがアニメに登場するのか?
もちろん、大泉の東映アニメーションをはじめ
アニメ制作関係者・漫画家がたくさん集まっていること、
またここを通る西武鉄道がアニメタイアップにとっても協力的なこと
(おかげで駅のポスター掲示板はまるでアニメイトのようです!)、
これらが最大の要因なのですが、
もっと大きな理由は「地味な街であること」かと思われます。
練馬区西部の街々が「住みたい街ベストテン」にランクインすることはありません。
おしゃれなカフェも、ほっこりできる古民家も、かわいい雑貨店も、
サブカルの聖地も文化発信地もあんまりありません。
ただ駅前にどこにでもあるチェーンのラーメン屋やスーパーや古本屋やドラッグストアが
軒を連ねるだけです。あとは住宅ばかりです。
犯罪率も低く、殺伐とした事件・異常な事件なども少ないのですがね。
そこが、アニメ視聴者に「自分の生活と地続きだ」と感じてもらえる
ポイントなのかもしれません。
平和で、なんということもなく、光芒に欠ける自分の生活。自分の街。
そこに、ちょっとした出来事が起こるところからアニメは始まります。
見る人が自分の生活の延長からアニメ世界へと、すっと入っていける、
そんな舞台としてぴったりなのでしょうね。このへんの界隈は。
ところでそんな我が自治体は、
いわゆる「アニメで町おこし」、本当はやりたくて仕方なさそうなのですが
関連事業はほとんど見かけません。
たまに西武鉄道主導で思い出したようになにかやる程度です。
地元に関心がないんですね。
町おこしなどしなくても今の暮らしで十分だと思っているか、
よほどのアニメファンになると「また練馬が舞台か」と当たり前に感じてしまっているか。
それでも隣区・某S区が「アニメで町おこし」などと言いだし
高架下に「アニメストリート」など拵えてしまうと密かにムッとしたりします。
S区にはおしゃれなカフェも古民家カフェもサブカルの聖地も、
人を集めるリソースがたーんとあるのに
なぜ光芒薄い練馬の数少ない名物にまで手を出すのだろう?と。
そんな店主はひがんでいるのでしょうか。
それとも自慢しているのでしょうか。よくわかりませんね。