2000円と2億円

はい。新入荷、昨日のうちにUPしております。
鄭問、90年代初期のまぼろしの名作「阿鼻剣」が
久々の入荷でございます。
大判の香港版ではなく、コンパクトな台湾版なのですが
上・下巻とも、ずっしりとした重量感がございます。
是非、お楽しみ下さいませ!


さて、昨日は3月出張分の船便手配貨物がやっと届いたので
新入荷UP後、検品記帳にとりかかりまして
先ほど終わりました。
それでこちらの更新も本日になってしまいました。すみません。
面白そうな新作をいろいろと仕入れてまいりましたので
今後にどうぞご期待下さいませ。
それにしても現地で船便を出したのが3月2日。到着が昨日。
1ヶ月+8日かかりました。
通常は1ヶ月、ないしは少し切るぐらいで到着しているので
遅かったですね。
現在、中国方面の船便貨物が猛烈に混みあっているのだそうです。
店主は日本の郵便局店頭告知を見て青ざめたのですが、
上海港や南部・福州港などを経由する貨物は2〜3ヶ月遅れになるそうです。
香港は無関係、というわけにはやはりまいりませんでした。
とにかく中国の対外運搬貨物量が増えているのだそうで、
それは東京の繁華街の「爆買」風景を見れば火を見るよりも明らかです。
大陸を中心に、香港・台湾の方々もそうですが
なんとまあ旺盛な消費欲でございましょうか。
銀座の大通りには次々と大型観光バスが横付けされ、
観光客の皆様を吐き出しては、パンパンの買い物袋を提げた方々をまた乗せていきます。
おそろしくお金の回りが良いようです。
デフレにすっかり慣らされた我々日本人が
想像もつかないようなお金を得て、そして使っているようです。
店主は船便貨物の「詰めもの」に使った現地新聞にふと目が止まりました。
不動産広告ですが、
観光地・ビクトリアピークのそばの物件、200平米ほどのおうちに10億円の値がついていました。
確かにたいそう眺めの良い場所、香港にしては尋常でない広さを独り占めですが、
それにしても10億円…住むところだけに10億円…。
しかも戸建てでもビル一棟でもありません。集合住宅の一部です。
繁華街のど真ん中でもありません。山の中腹、
伝統ある高級住宅地とはいえ周囲は林です。
日本でいま10億円あれば、小さな会社をひとつ買収できてしまいますね。
10億円ほどの負債で倒産してしまう会社だってたくさんあります。
夜、帰って寝るだけの場所のために10億円払うことが
はたして世界的なそろばんに合うのでしょうか?
その広告には2億円以下の物件は載っていませんでした。
2億円持っている人が、新聞広告に目を止めるぐらいの数いる社会。
すごいと思いますが、あおりですべての物価が上がった香港のブツを
仕入れる立場からすればたまりません。
店主とてこんなに時間がかかる船便はもう使いたくないのですが
いっぽうで航空便料金はおそろしく値上がりし、頭を痛めています。
先日の出張でも郵便局窓口で小包料金が所持金を超え、真っ青になりました。
130ドル足りなかったのです。2000円ほどですね。
さいわい郵便局が最近デビットカードのシステムを導入し、
キャッシュレス決済が可能だったので事なきを得ましたが、
2000円で青ざめる店主と、2億円気前よく払う現地の人。
ああ。この格差。
いつまで続くのでしょうか…。
愚痴で失礼いたしました。