日曜日のシンデレラ

はい。更新が遅くなり申し訳ございません。
昨日のうちに新入荷UPしております。
「射雕英雄傳」創刊号を含む初期巻、
そして大人気「バイオハザード3」の大量追加入荷もございます。
お楽しみ下さいませ!


さて店主は最近何をしているかと申しますと、
ずっと訳してきた香港の漫画家さんインタビュー集「港漫回憶録」、
下書きが出来たので次は清書、テキストに起こしていたりします。
なんとか今月中に全部やり遂げたいと思っておりますが、
10章中まだ2章しかできておりません。間に合うのでしょうか。
早く完了して、今年中にもう1冊ぐらい香港漫画の薄い本も作りたい。
いや、長らく中断している「辺荒伝説」の訳にも今年こそ復帰したい。
やりたいことが山積みで困り果てております。
そんな中。先週8/31の深夜、NHK−BSの番組で
香港の「アマさん」を追った海外ドキュメンタリー
「日曜日のシンデレラ」を見ました。
日曜日、香港の路上や公園は東南アジア系の女性であふれかえります。
初めて香港を訪れる方がちょっと驚く、
いや幾度となく訪れている店主も最近やっと慣れた光景です。
平日は住み込みで働いている出稼ぎメイド=「アマさん」です。
インドネシアやマレーシアからの方も増えていますが、やはり最大多数派はフィリピン人。
日曜日だけが公休日ですが、お金を使って遊びに行くこともなく、
公園や路上にただ集まって同郷の者どうしおしゃべりして夜まで過ごすのです。
彼女たち専用の仕送り銀行、国際宅配業者もあります。
郊外の小さなショッピングセンターでよく見かけます。
彼女たちが日常、どんな暮らしをしているか。どう働いているか。
現地在住でなければなかなか知ることのできない姿が見られ、
たいへん興味深い番組でありました。
店主はひとつ謎が解けました。
現地の少年少女達、どんなに漫画やアニメにハマって勉強していなさそうな子でも
皆いちおう英語を喋れるのはなぜだろう?と。
フィリピン人メイドは子守りをするとき英語で話しかけているんですね。
猛烈に訛っていますが、よく聞いていると英語なのです。
また、夫や子供がいるのに国に置いて出稼ぎし、
遠い香港のよそさまの子供を育てているアマさんも沢山いるんですね。
非常に複雑な気が致します。
子育てをメイドさんに任せ、香港のお父さんもお母さんもお勤めに出ているのです。
とはいえ子供は誰かが育てなければならないし…
そもそもフィリピンに置いてきた子供は誰が育てているのか?
旦那様かしら?というか旦那様は奥さん出稼ぎにやって何をしているのでしょう?
疑問に思い、いろいろ調べてみたのですが
どうやら正解は「なにもしてない旦那が多い」のようです。
フィリピンでも子育てや家事を旦那が積極的にやる、という局面は少ないようで、
かといって働こうにも仕事の口が非常に少なく
「俺にはもっと合った仕事があるはずなのに」といいつつ探すのをあきらめて
なにもせず、奥さんの出稼ぎ送金に頼っている人が少なくないそうです。
国内産業が満足に発達していないから、というのも一因かと思われますが、
どんな仕事でも薄給でもかじりついて働くよりは
家族にひとり稼ぎ手がいるなら、全力でそれにぶら下がる…
フィリピンではそういった発想が一般的なのだという説を、あちこちで見つけました。
世界は広い。考え方もいろいろだ。労働観も。
そう痛感せざるを得ませんでした。
しかし、だからといって「フィリピン人はアカン人たち」なのでしょうか?
もしかしてフィリピン人から見れば
大人がちょっと平日に家にいて、会社に通わないだけで
ご近所様から白い目で見られる、そんな日本こそ奇妙きわまりないと
感じられるかもしれません。
世界はいろいろですね!だから面白いです。
アマさんたちに幸あれ!きょうもお仕事お疲れさま!と
テレビを見ていて思いました。
(9/8に再放送もあるそうです。見逃した方はぜひどうぞ。)