花とみつばち

はい。新入荷UPしました。
香港の地元政党美少女化コミック「黨娘」、
そして同作品掲載の「熱血少年週刊」「熱血少年月刊」です。
政治の擬人化といえば台湾の韋宗成がおなじみですが、
こちら香港の「黨娘」は地元政党の中でも
民主独立派、それもとびきりラジカルなほうを中心に描かれ
はっきり政治的に偏向しております。
それもそのはず、連載誌「熱血少年」(「週刊」は休刊しましたが
懲りずめげず飽きずに7月「月刊」で再開しました)は
過激な香港独立・反中共政治団体「熱血公民」のリーダー自身が運営しているからです。
政党の主宰者が商業漫画誌。しかも
プロパガンダ満載なのに作品としてちゃんと面白い、という
世界でも珍しい事態が起こっているのが現代香港でございます。
そのうえ絵のクォリティも異様に高いというのに驚かされます。
どうぞお楽しみ下さいませ。


さて、UPのタイミングを合わせたような合わせなかったような、
香港で金鐘地区の道路占拠、
通称「雨傘革命」がおっぱじまってから来週でちょうど1年でございます。
あの運動が成功だったのか失敗だったのか簡単には申せませんが
少なくとも香港が抱える大きな矛盾の解決には
あまり有用ではなかったというのが一年たっての感想でございます。
占拠地近辺で商売を妨害された商店ですが、
売上不足ですぐにつぶれるところは少なかったものの
狂騰する家賃を誰も止めることがなく、バブるにまかせていた結果
老舗がバタバタと閉店したし、店主も昔からの仕入先を失ってしまいました。
「出租」の不動産ビラがベタベタ貼られた店のシャッターを前に、
これまでの恩や喧嘩を思い出して、また仕入先消失で途方に暮れて
泣きそうになりましたが泣くのは我慢しておきました。
そして大陸人の潮が引き、今度は目抜き通りの商業地帯における
シャッター商店街化がひたひたと近寄っております。
店主が泣くのを「民主化」の誰が慰めてくださるというのでしょうか。
しかしそれは香港のことであり、店主とは関係ございません。
仕入に都合がよろしかろうと香港、悪しかろうと香港。
何も申し上げることはないのでございます。
ただ、このところ日本で
なにかお若い方々が立法府前に集まって政治的な抗議運動をなさっているようで、
それを「雨傘革命」と比較したりなぞらえたりする言説を
しばしば目にいたします。
はじめは一部の個性的な方々によるインターネット言説、
変わった物言いで人の気を引きたいだけの方の意見かと思っておりましたが、
先日、数百万部を誇る某大新聞の一面でも目にしました。
店主は日本の政治のことはよくわかりません。
が、しかし、これだけは憤りをもって申し上げます。
香港と日本は違います。
日本は香港ではございません!!!!!
安易に比べたり例えたり引き合いに出して励ましたりしないでいただきとうございます。
ただ年若い人々が立法府の前に集まって政府にたてついているという共通点だけでくくるのは
あまりに大雑把で乱暴すぎや致しませんでしょうか。
歴史も政治背景も地理条件も民族も生活も異なる香港と日本。
立法機関の前でなにかをやっていたとしても
それを行う背景も、理由も、目標も異なるのでございます。
そこを鑑みず、ただ「反政府運動をやっているから」というだけで
飛んできてあれこれおっしゃるのは、
拙宅のお庭に季節折々の花が咲いたからといって
ぶうんと飛んできて蜜を吸って去っていく、種々の虫とさして変わらぬように
感じられるのでございます。
虫扱いに御不満がおありでしたら、
よろしければ香港事情の本を御覧になるなり、実際に現地へ赴かれるなりなさって
(今は政治運動があまりなく、ご興味は薄いかと存じますが)
そのうえで御比較なさればよろしいかと存じます。
ちなみに「黨娘」は大変政治スタンスが偏っており、
しかも萌えておりますので、有用性は薄いかと思われます。