ミカンとモップとカタフラクト

はい。新入荷UPしました。
香港の急進派反共政治団体系出版社「熱血時報」が出す
政党美少女擬人化オールカラーコミック「黨娘」です。
品切の1巻とともに、続刊・2巻も入りました。
昨年末発行の「マンガ論争14」でも触れておりますので
ご興味をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2巻では更にエロ方面で充実度が増すという
それはプロパガンダ漫画の方向性としてどうなの?
という事態になっておりますが、
一方で黒髪・ツインテール・赤いリボンといういでたちの
新たな敵キャラ「共青娘」も登場し、スリリングさを増しております。
ぜひどうぞ、お楽しみ下さいませ!


さてこの2巻には、「雨傘革命」を恨む少女ゾンビ軍団という
新キャラも登場するのですが、
そういえば香港「雨傘革命」と
台湾「ひまわり革命」と、日本の国会前で運動をしていたお若い方々とを
比較して著述した新書が最近日本で出たようですね。
店主は買いません。読みません。書名もここに記しません。
なぜならこの三者を比べる理由が、そもそも理解出来ないからでございます。
三つは、まるで違うものではございませんか。
昨秋でしたでしょうか、日本の国会前に何やらお若い方々が雲集して
何か主張を披露していたことは
我が家で取っている新聞にも書いてあったので存じ上げているのですが、
それは普通選挙導入を主張する香港の「雨傘革命」参加者とは
目的も意図も動機もなにひとつ共通しないものであります。
ただお若い方々が司法府近辺に集い
何かを主張したという共通点のみでくくるのは
たとえばミカンとモップとカタフラクト模型とを比較して論じるようなものでございます。
「えっ?この三つ、うちにあるのはみんなダイダイ色だよ。だから共通でしょ!」
と仰るようなものでございます。
あまりに乱暴で、一方向にすぎた物の見方ではございませんか。
まあ、多様な物の見方の中でそういったものが出現することもございましょうが、
書店の平積み台を占める新書で、めずらしく香港を取りあげたものが
こういった極めて一面的な見方のものとは、甚だ遺憾でございます。
どうやら三つのどれを称揚しどれを批判するものでもないようですが、
それでも同列に比べるのは納得がゆかぬのでございます。
そういえば新書で香港を取りあげたものといえば
いささか時間は経っておりますが、
岩波新書「香港 中国と向き合う自由都市」というものが出ております。
これは、最新の香港事情を平易ながら詳しく、
また陳腐でない切り口で書いており、たいへんおすすめでございます。